令和4年法改正一覧

2022 (令和 4 )年は大きな法改正がたくさんあります。

特に年金や社会保険適用拡大、育児休業法改正 などは どのように改正となるのか、概要を確認して お きましょう

2022(令和4年)1月 新設&改正

雇用保険 マルチジョブホルダー制度新設

複数の事業所に雇用される65歳上の労働者で、2つの事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満)の労働時間が1週間20時間以上であり、各事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であれば、本人からハロ-ワークへ申出を行うことで、雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることが出来る制度です。  申出を行った日より資格取得となり(遡り取得は出来ない)、雇用保険料納付義務が発生。任意脱退は不可。失業した際は、失業給付受給が出来る他、介護休業給付金や教育訓練給付も対象となります。

2022(令和4)年4月 新設&改正

厚生年金保険 60~64歳年金支給停止額改正

働きながら(在職しながら)社会保険に加入し、老齢年金を受給する制度を、在職老齢年金制度といいます。働いて一定額以上の収入がある場合、年金支給額が減額となります。この基準額が改正となり、以下の通りとなります。

6064歳支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度(低在老)について、年金支給停止される基準が現行の賃金と年金月額の合計28万円から47万円に緩和され、賃金と年金月額の合計が28万円から47万円の方は年金額支給停止がされなくなります。

なお、65歳以上の基準額(月給+年金の合計が47万円)には変更はありません。

厚生年金保険 在職定時改定新設

前述の在職老齢年金制度に該当する場合には、社会保険料も控除となっています。控除された保険料については、もちろん年金に加算されますが、今までは、退職時または70歳になるまで支払ってきた年金増額分が反映されませんでした。今回「在職定時改定」が新設となり、在職中でも65歳以上の在職老齢年金については改定が定時に行われ、増額分が反映された年金が毎年受給できるようになります。

年金受給 繰り下げ上限年齢、繰り上げ減額率改正

原則として、老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)は65歳から受給が開始となり、本人選択により65歳より前(60~64歳の間)に「繰り上げ」て受給開始することも、65歳より後に「繰り下げ」て受給開始とすることも出来ます。この「繰り下げ」上限年齢が75歳まで引き上がります。

なお、「繰り下げ」すると1ヶ月あたり0.7%増額した額で受給となり、その一方「繰り上げ」を行うと、減額された率で一生涯受給することになります。この減額率が1ヶ月あたり[0.5%] → [0.4%]へ縮小となります。

育児・介護休業法改正 雇用環境整備・個別周知・有期雇用労働者取得要件緩和

育児・介護休業法改正については、施行日がそれぞれ違うので注意しましょう。

〇育児休業を取得しやすい雇用環境の整備

育児休業と産後パパ育休(後述)の申し出が円滑に行われるよう

にするため、以下のいずれかの措置を講じる必要があります。

〇妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認措置の義務付け

本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、次の事項の周知と休業の取得意向確認を個別に行わなくてはなりません。

〇有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

「引き続き雇用された期間が1年以上」の要件が廃止となり、取得要件が緩和に。ただし、労使協定締結により有期・無期雇用労働者問わず「引き続き雇用された期間が1年未満の労働者」は除外可能です。

2022(令和4)年10月 新設&改正

育児・介護休業法改正 産後パパ育休新設・育児休業の分割取得

〇産後パパ育休の新設

子の出生直後の時期に柔軟に育児休業を取得できるようになります。

子の出生後8週間以内に4週間まで取得が可能休業の申出期限を原則2週間前までとする労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で、休業中に就業が可能

〇育児休業の分割取得

育児休業が分割して取得可能となります。

男性育休の取得を促進、育児休業の分割取得により、出産・育児による離職を防ぎ、より仕事と育児が両立できる社会とすることが目的です。

社会保険 短時間労働者の適用拡大

パート・アルバイト等の短時間労働者の社会保険適用条件が拡大されます。

2022年10月から、法改正により、パート・アルバイトの皆さんの社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入条件が変わります。週の所定労働時間が20時間以上で、月額の賃金が88,000円以上、2ヵ月を超えて雇用する見込みがあるパート・アルバイト(学生を除く)は、社会保険加入の手続きをとる必要があります。